国産4気筒エンジンのネキッドモデル
価格高騰がとまりません。
ZRX1200 DAEGも
こんなに中古価格が高いのか・・・
目次
不人気バイクのエンジンを受け継いだロングセラー
ZRX1200 DAEGの歴史を
さかのぼっていくと
ZRXと最初に名前のついた
大排気量バイクは
ZRX1100です。
▲ZRX1100
By b10lm CC BY 2.0 via Wikimedia Commons
ホンダが
CB1000SF、CB400SF
というヒット作を世に放ち、
他のメーカーもこれに続くように
ネイキッドバイクを開発。
ヤマハはXJR、スズキはインパルス。
そしてカワサキは
ゼファー1100と400で
このブームの波に乗ったのですが、
(ゼファー750は不人気だった・・・)
空冷エンジンのゼファーよりも
水冷エンジンを搭載したスポーティなバイク、
ZRX1100とZRX400
を発売します。
(発売はZRX400が先)
ZRX1100のベースエンジンは
1年前の1995年に発売された
『GPZ1100』
というツーリング向けバイク。
このGPZ1100は
ツーリングをメインとした
廉価版ZZR1100
として開発された様なのですが、
ラムエアが取っ払われて
トルクに振られたエンジンは
97PS / 8500rpm
と数字で見ると
物足りなさが否めません。
そこに重い鉄フレームが組み合わされ、
車両重量は乾燥重量でも242kg。
そしてGPZの名前を持ちながらも
Ninja
というペットネームはついていない・・・
GPZ1100は現在も
不人気まっしぐらで
中古バイクは激安で探せます。
対して
ZRX1100は
このGPZ1100のエンジンをベースに
パワー、トルク共にアップ
車体もGPZ1100に比べると
20Kgも軽い乾燥重量222kg。
スタイリングも
ローソンレプリカで往年のファンに知られる
Z1000R風
▲ローソンレプリカ Z1000R (エディ・ローソンが1981年度「AMAスーパーバイク」シリーズのシリーズチャンピオンを獲得したことを記念して1982年に発売された。)
ZRX1100は
大ヒットのバイクになりました!
その後、
各社このジャンルで
排気量アップがトレンドとなり、
ZRX1100も
ZRX1200R
へとモデルチェンジします。
▲ZRX1200R
By Aaryana8 CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
ZRX1200Rのエンジンンも
実は、人気のなかった
ZZR1200がベース。
なんか
不人気バイクエンジンの受け皿?w
という感じもしますが、
ZRXでも
丸目ヘッドライドにして
オーソドックスなデザインにした
ZRX1000-IIや
ホンダのCB1300スーパーボルドールのような
ハーフカウルを取り付けた
ZRX1200Sという
不人気モデルを生み出しています。
まぁ、カワサキって
リサーチが下手なのか
こういう失敗が多いです。
▲不人気だったZRX1200S
By Bitman GFDL CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
ZRX1200RとZRX1200 DAEG何が違うの?
▲ZRX1200 DAEG
By PekePONCC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
2009年に
ZRX1200RはRがとれて
代わりにDAEGの名がつきます。
DAEG(ダエグ)というのは
ゲルマン人が使っていた
古い文字体『ルーン文字』のひとつ。
英語の『DAY』の語源になった言葉で
「一日」という意味を持っています。
ZRX1200Rと
ZRX1200 DAEGは
見た目にほとんど差がないことから、
違いがわからないという人は多いです。
(まぁZRX1100でもわかりにくいですが・・・)
そして、
その見た目の差からは
思いもよらない値段差に驚きます。
外観で決定的に違うのはホイール。
ZRX1200Rでは
3本の太いスポークだったのが
ZRX1200DAEGになると
5本から枝分かれる
10本の細いスポークデザイン
になっています。
あとはビキニカウルボリュームが
大きく、尖っているデザイン
になったのもわかりやすいかな?
機能面ではミッションが
5速から6速に変更
されていて、
峠道などでのスポーツ走行も
楽しめるようになっています。
また、パワー面で言うと
ZRX1200Rの時は
- 最大出力が100PS / 8000rpm
- 最大トルクが10.4kg-m/6000rpm
ZRX1200 DAEGは
馬力規制がなくなった後に
モデルチェンジしているので、
- 最大出力が110PS / 8000rpm
- 最大トルクが10.9kg-m/6000rpm
また、
フューエルインジェクションの採用
による細やかなセッティングで
コントロール性を向上させています。
そして結果としては
燃焼効率の向上にもつながり、
燃費へも良い影響がでているのです。
ZRX1200 DAEG GooBikeでみる中古バイク価格は?
平均価格は180万円を超えており、
人気の高さがうかがえます。
(2023年8月現在)
また、
限定モデルの
オーリンズエディションやマフラーや
ホイール、サスペンションといった
ハードパーツでカスタムされたバイクが
平均価格をつり上げる
原因にもなっていると思われます。
カワサキ ZRX1200 DAEGの価格相場 | 新車・中古バイク情報 GooBike(グーバイク)
バイク王公式チャンネルでもZRXを紹介
バイク王公式の
YouTube動画チャンネル
バイク王TV
くらべて選べるバイク動画でも
ZRX1100
ZRX1200R
ZRX1200DAEG
3台を乗り比べ
インプレッションが
紹介されています。
中古車を選ぶ時のチェックポイントや
コツなども教えてくれるので、
参考にしてみましょう。
ZRX1200 DAEG人気の理由は?
色々調べてみて
わかってきた人気の理由は
- ZRX1200Rや他の車種と比べて十分ハイパワー。
フルパワー(逆車)である必要がない。 - しかしながらトルク重視の扱いやすいエンジン。
- 6速ミッションの装備。
- Z1000RやZRX1200Rをブラッシュアップしたような飽きの来ないデザイン。
そして価格が
つりあがってしまう原因は
- 人気モデルだったのに生産終了していて、次期モデルもまだ発表されていない。
これではないでしょうか?
中でもやはり
ファイナルエディションと銘打たれた
ライムグリーンのローソンレプリカカラーは
特に値段が落ちていません。
スタンダードなネイキッドなので
あまり視野にいれていませんでしたが、
こうして調べてみると
ホンダ CB1300SFよりもスポーティで
パワフルなバイクでした。
もちろんスポーティすぎることはなく
落ち着いた風格や快適性を
持ち合わしたバイクなので
長く付き合えそうな気がします。
ZRX1200 DAEG(ダエグ)のインプレ
レンタルバイクで
ZRX1200DAEGに乗ってみた
インプレッションレポートです。
にじみ出るワルの雰囲気
今回レンタルしたZRX1200DAEGは
2016年式のモデル。
あまり見かけないカラーリングです。
どう見ても白バイにはなりえない
ワルっぽさが
デザインにただよっています。
またがってみるとやはりデカい。
ビッグバイクだなっという印象です。
しかしながら、
ハンドルは少し狭く手前。
車幅感覚がつかみやすく
渋滞などでも運転しやすいです。
カワサキらしいピーキーなエンジン特性
エンジンはZZR1200から受け継いだ
水冷直列4気筒 1164cc
最大出力:110PS / 8000rpm
最大トルク:10.9kg-m/6000rpm
私は過去に何台もカワサキ車には
乗ってきましたが、
パワーやトルクの出かたが
「カワサキらしいな」
と感じました。
ピークに入るとパワーを感じながら
グイっと加速するような印象です。
また、個体差なのかもしれませんが
クラッチをつなげる時に
少し振動が出ます。
荒々しいですねw
ブレーキと足回りは硬め
ブレーキはTOKICO製
4ポッドキャリパー
効かないわけではないですが
ちょっと不満のあるブレーキです。
TOKICOの標準ブレーキパッドは
耐摩耗性は高いですが
初期制動が弱いです。
この辺りはパッドの変更や
キャリパーの変更を
したくなるところですね。
リアサスペンションは
KYB(カヤバ)製
ちょっとゴツゴツしていて
街乗りでの快適性には欠けます。
伸び、縮み両方の減衰調節は可能。
フロントフォークも同じく
伸び、縮み両方の減衰調節が可能。
メーターは一世代前のシンプルさ
メーターはいたってシンプル。
オフセットされた2連メーターで
- 総走行距離
- トリップメーターA / B
- 時計
が左側液晶に表示され
- フューエルメーター
が右側液晶に表示されます。
一応左メーターパネルに
水温警告灯はありますが、
経験上カワサキは
冷却水漏れのトラブルが多いので、
せめて水温系が欲しいところです。
ツーリングに便利な積載性
シート下のスペースは
かなり広くとられています。
財布や携帯電話、
ちょっとしたお土産なら
すっぽり収まるのでは
ないでしょうか。
シート後部にはフックかけと
ヘルメットホルダー。
言うまでもなく便利です。
ついつい回転を上げて走りたくなる
このバイクはトルクは十分にあり、
低回転で走る事に不満は感じません。
しかし、
それ以上に中~高回転域が
気持ちよく走れるのでついつい、
アクセルを開けてしまいます。
マフラーを換えたら
気持ちいいんだろうなぁ。
市街地
前述もしましたが
車幅感覚がつかみやすく、
乗りやすいです。
但し、
重量があるので
またがって両足が着けないと
信号待ちや渋滞は
しんどいのかもしれません。
ハンドルにも少々重みは
感じられます。
高速道路
湧き上がるパワーを発揮できる
高速道路はかなり面白いです。
もちろんビキニカウルによる
防風性はありませんから、
走行風はかなり当たります。
しかし、
不思議と不安な感じはなく
安定した走りが楽しめます。
パワー感が気持ちいいので
スピード違反に気をつけましょう!
峠道
硬めのサスペンションが
ビシッときまってくれて
安定したコーナーリングが
楽しめます。
また、
エンジンは滑らかとは言えませんが
ピーキーでもありません。
しっかり回転を落として
切り返しする時もスンナリいきます。
それだけに残念なのがブレーキ
握り込まないと効いてくれないので
上手く減速できません。
エンジン特性からも
高回転で走りがちなので
余計にブレーキの弱さが
目立ってしまいます。
ZRX1200DAEGインプレまとめ
開発が途中で終了してしまって
一世代前のバイクに
なってしまっている感があり、
不満点はあります。
しかし、
そういった不満点を払拭する
素性の良さを
持ちあわせているバイクでもあります。
追加メーターや
ブレーキ、サスペンションの変更
マフラー交換など
カスタムを重ねていけば
不満点は取り除かれ、
自分好みのバイクに仕上がると
思います。
そして何よりも
これまでカワサキ車を経験した人は
「カワサキらしいなぁ」
と思えるバイクだと思います。
何とも言えないバイクならでは
迫力の様なものを
感じるのではないでしょうか。
バイクの乗換えを考えている人は
バイク王で評判より高く売るマル秘術
コチラも
あわせて読んでみて下さい。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。