今回きになるのは2018年の新モデル
SV650Xです。
これまで日本でのSVシリーズの人気は
高いとは言い難いですが、
ヨーロッパを中心にSVシリーズは
世界では人気のバイクです。
そんなSVシリーズに
今年流行の兆しが見える
『カフェレーサータイプ』
が加わりました。
目次
ヨーロッパで磨かれたミドルクラスツイン
日本でミドルクラスと言うと、
普通二輪免許で乗れる
400ccクラスのバイクを
思い浮かべますが、
これはやはり
日本の免許制度上に
排気量の制限があるからです。
ヨーロッパでは免許制度と排気量は
あまり関係がなく、
保険料や車体価格から
600~800ccクラスのバイク
がミドルクラスとされています。
そんな近年ヨーロッパでの
スタンダードを
ずっと支えてきたのが
SV650です。
日本ではカウル付のSV650Sのほうが
馴染みがあるかな?
▲初期型のSV650S
By Szczepan1990 16:06, 30 September 2006 (UTC) (Own work) [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY 2.5], via Wikimedia Commons
そして、
流行のカスタムスタイル
『カフェレーサー』
を身にまとったのがSV650X
なのです。
▲SV650X
カフェレーサーとは?
最近よく聞く『カフェレーサー』
よく聞くけど
イマイチどんなバイクなのか
わからない。
ネオレトロと、どう違うの?
という人が
多いのではないでしょうか?
ちなみに私もよくわかりませんw
カフェレーサーの歴史
なぜよくわからないのか?
を先に言っておくと、
カフェレーサーの定義が
変化し続けているからです。
一応まとめてはみましたが、
ここからお話しするのは
私の自論です。
カフェレーサーの由来
大元はこれです。
カフェレーサーという言葉が
発祥したのは1960年代のイギリス。
1950年代の
エルヴィス・プレスリーの音楽や
映画『乱暴者』の
マーロン・ブランドのファッション
といったアメリカンロックに
強く影響を受けた若者たちが
『ロッカーズ』
と称して集まっていました。
ロッカーズ達はロンドンにある
Ace Cafe(エースカフェ)
というカフェ集まったり、
エースカフェまでの道のりや
カフェのまわりで公道レースを
していた事から、
ロッカーズ達のバイク改造スタイルが
『カフェレーサー』
と呼ばれるようになったのです。
Ace Cafeは
1969年に一旦閉鎖されましたが、
2001年に復活を果たしています。
ホームページでは
本場(元祖)カフェレーサーの
ギャラリーが見れますよ▼
[blogcard url=”https://london.acecafe.com/”]
カフェレーサーは単気筒?
私の記憶や知るところでは、
日本でカフェレーサーが
爆発的に流行った事は
ないと思います。
ただ、根強いファンがいて
流行り廃りがない印象です。
そして、代表的な車種といえば
- ヤマハ SR400
- ホンダ GB250 クラブマン
といった70年代後半から80年代に
登場した国産単気筒バイクです。
▲SR400
ロッカーズ達が
改造ベースとして使用したバイクは
60年代イギリスですから
トライアンフやノートン、BSA
といったメーカーの
単気筒エンジンのバイク。
こういったビンテージを
模したのが
SR400であり、GB250だったので、
日本では国産車である
これらをベースにするのが
最適だったのでしょう。
なので、
カフェレーサー=単気筒
というイメージを持っている人も
多いのではないでしょうか?
しかしおそらく
カフェレーサー=単気筒
は日本特有のものでしょう。
カフェレーサーはロケットカウル?
イギリスで
カフェレーサーが流行したのは
1960年代ですから、
空力を良くしたり、
高速時の風防のために
カウルを装着するとなると
現在で言うところの
『ロケットカウル』
と呼ばれる形状になります。
ところがこのロケットカウル
日本では長年、
暴走族・旧車會の御用達アイテムとして
マストアイテムです。
イメージがよろしくないので
皆あまりつけたがりませんw
おそらくこの源流も、
イギリス版暴走族である
カフェレーサーにあるんじゃないかな?
と思われます。
ちなみにスズキは過去に
バンディット400 リミテッド
バンディット400V リミテッド
というバイクに
ロケットカウルを標準装備させて
発売したことがありました。
カフェレーサーを
イメージしたかどうかはわかりませんが
当時は全然売れていなかったですねw
▲バンディット400リミテッド
By order_242 from Chile (Suzuki GSF 400 Bandit 1990) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
ネオカフェレーサーの出現
2000年代に入るとヨーロッパでは
最新のトライアンフやノートンといった
イギリス製バイクを中心に
60年代のようなカフェレーサールックへ
改造するネオカフェレーサーというのが
流行しはじめました。
▲トライアンフスピードトリプルのカフェレーサー
オートバイメーカー自らも
レトロルックバイクの販売を
はじめました。
By Tony Hisgett from Birmingham, UK (Norton Commando Cafe RacerUploaded by tm) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
その後、
ヨーロッパでのレトロブームは
イギリスメーカーという枠を破り、
ドゥカティやBMWなどからも
発売され人気を博しています。
そのネオレトロの中でも
ハンドルを低く構え、ロケットカウルや
ロケットカウルにデザインを似せた
丸いビキニカウルを装着したバイクに
『カフェ』や『カフェレーサー』という
名前が与えられています
走りを意識したネオレトロが
現代版カフェレーサーなのか
それまで日本製ネオレトロというと
CB1100やXJR1300といった
空冷エンジンを搭載したバイクが
発売されていて、
ある程度の人気を獲得していましたが、
2016年に発売された
ヤマハ XSR900を皮切りに
レトロなデザイン要素を持ちつつも
水冷エンジンを搭載した
走行性の高いバイクが
注目されはじめました。
▲XSR900アバルト
カワサキは新型バイクZ900RSに
カスタムバージョン
Z900RS CAFE
を追加
ホンダは新型
CB1000R
を「ネオスポーツカフェコンセプト」
として発表しました。
レトロな雰囲気と
ストリートレーサーのような走行性能
これが現代版の『カフェレーサー』
ということなのでしょうか?
SV650Xはカフェレーサー?
SV650Xも間違いなく
カフェレーサーを
イメージしたバイクです。
なぜなら、SV650Xの
公式ホームページトップに
書いてあるからです。
作った人たちが言うんだから
間違いないw
カフェレーサーをイメージしたSV650X ABS 新登場
ヘッドライトカウルをつながりのあるデザインとすることでロケットカウルをイメージさせる。
セパレートハンドル、タックロールシートなどがレトロな雰囲気を盛り上げる。
その上でスズキの持つスポーツイメージと融合させ独自のスタイルを表現する。
街中ではスタイリッシュに、ワインディングではスポーティに、SV650X ABSは様々なシーンで存在感を放つ。
2017年の東京モーターショーや
ミラノショーというタイミングで
カワサキ、ホンダ、そしてスズキが同時期に
『カフェレーサー』
と銘打って発表すると
「この3台はライバルなんだな」
と普通は思います
しかし、
Z900RS CAFEやCB1000Rと肩を並べるには
エンジンもそこまでハイパワーではないですし
装備も豪華とは言えません。
「正直、少し見劣りしちゃうな〜」
という気がしますよね。
これは各メーカー
カフェレーサーの捉え方が
違うかったからでしょう。
真のライバルはXSR700か
SV650XのベースモデルSV650は
先ほども言ったとおり、
スズキのヨーロッパ主力モデルで
長年その人気は
揺るがされることはありませんでした。
しかし、
ヤマハ MT-07の登場とヒットで
その状況が変わってきました。
さらにヤマハは
ヨーロッパでのネオレトロブームを見て
MT-07のネオレトロ版
XSR700を投入し
追い討ちをかけてきたのですから、
そこはスズキもSV650の
ネオレトロ版(カフェレーサー版)
SV650Xで対抗してきたのではないか?
と私は思います。
▲カスタムされたXSR700
注目すべきは手軽さ
SV650XはSV650に
- ビキニカウル
- セパレートハンドル
- タックロールシート
と必要最低限の変更にとどめ
うまくレトロ感をだしていると思います。
▲SV650X
そのためベースのSV650に
¥43,200(税込)プラス
された車体価格は
¥781,920(税込)
XSR700:¥899,640(税込)と比べて
¥117,720(税込)も安い
スペックを比べてみても
【SV650X】
最高出力:76.1PS / 8,500rpm
最大トルク:6.5kgf・m / 8,100rpm
装備重量:197kg
【XSR700】
最高出力:73PS / 9,000rpm
最大トルク:6.9kgf・m / 6,500rpm
車両重量:186kg
と見劣りしません。
また、
軽い車体やキツすぎない前傾、
足つきの良さで
小柄な人でも気軽に楽しめそうです。
SV650Xまとめ
カフェレーサーをどうとらえるか?
によって、
SV650Xは見え方が
変わってくると思います。
もちろん、
SR400やGB250といったジャンルとは
違いますし、
Z900RS CAFEやCB1000Rと比べても
少し物足りなく感じるでしょう。
SV650Xは気軽に乗れるスタンダード
『ミドルスペックカフェレーサー』
といったところでしょうか。
コスパは非常に高いと思います。
うーん、気になる!
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最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。