今回ご紹介したいのは
NC750XとNC750Sです。
結果的に
NC700XとNC700Sも
紹介しちゃいますけどねw
次世代スタンダードとして、
ヤマハが発売したMT-07は
日本でも世界でも評価が高く、
好調な売行きを記録していると
以前の記事でご紹介しましたが、
実はMT-07よりも前に
ミドルクラスバイクブームの
火種を作っていたのが
ホンダのNCシリーズだったのです。
目次
誰でも気軽に楽しめるミドルバイク
NC750XとNC750Sは
同じフレームと足回り、エンジンの
姉妹車です。
アドベンチャータイプのNC750Xは
シート高830mm。
MT-09トレーサーのシート高
845mmと比べても15mm低く、
さらには、
シート高800mmのローダウン仕様
TypeLDも設定されています。
アドベンチャータイプが欲しいけど
足つき性が心配。
という人には
打ってつけのモデルでは
ないでしょうか?
▲NC750X(MC後)
▲NC750X(MC前)
NC750Sの方はカウルがとれ、
軽快な印象です。
こちらはロードタイプなので
シート高については790mmと
さらに低くなっています。
▲NC750S
写真提供:HONDA NC750S 放浪の旅
共通のエンジンはスペック上
- 54PS / 6,250rpm
- 6.9kgf-m/4,750rpm
となっており、
かなりの低回転型エンジンである
ということがわかります。
まるで車のエンジンみたいな数値。
最大の売りである燃費はと言うと、
- 定地燃費値(60km/h) 42.0km/L
- WMTCモード値 28.3km/L
ガソリンタンク容量が14Lですから、
300km以上無給油で走れます。
ツーリングでは
特に便利なのではないでしょうか。
便利なメットインスペース
このバイク、
通勤で使いたいという人にも
超オススメです!
なんといっても
フルフェイスヘルメットが
入る大きさの
メットインスペースがあるので
レインコートを常備したり、
カバンを入れて走ることができます。
NS-1もメットインは便利だったなぁw
ガソリンはタンデムシート下から
入れるようになっています。
By Adriankitch CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)
フェラーリやBMW、
フォルクスワーゲンといった
自動車メーカーでは採用されてきたDCT。
構造を説明すると長くなるので割愛しますが
その特徴としては
マニュアルミッションに近い変速機で
素早くスムーズな変速が
自動的にもできるというものです。
NC750X、NC750S双方に
DCT仕様が用意されており、
同じエンジンを搭載する
同じプラットフォームのスクータータイプ
「INTEGRA」や「X-ADV」にも
採用されています。
▲INTEGRA
FlyingOtter GFDL or CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
▲X-ADV
NC750X、NC750Sに装備されているDCTは
電子制御により、
自動変速、手動変速が切替えが可能。
手元のスイッチでいつでも
変速することができます。
もちろん、
クラッチレバーはついていません。
さらにオプションで
チェンジペダルが用意されており、
自然なマニュアルミッションモード
を楽しむこともできます。
ニューミッドコンセプト
ホンダが世界的規模で
市場調査を行ったところ、
大型バイクを普段から使用する人たちは
そのほとんどを
- 6000rpm以下で走行
- 最高速は140km以下で走行
しているという調査結果が出ました。
この調査結果から
利便性、快適性はそのままに、
時には
単なる移動のための道具ではなく、
バイクに乗ることそのものを楽しむ、
バイクを操ることを楽しみたい。
コミューターのように
日常での利便性に優れた、
肩ひじ貼らずに
楽しめるモデルが欲しい。
こういった要望を見出し、
日常的な使い勝手の中で
誰もが扱いやすく、
より一層軽快、快適で、
味わい深く楽しいバイクを
低燃費、低価格で提供したい。
という答えを見出したのが
『ニューミッドコンセプト』です。
このコンセプトに基づいたバイクが
NC750X/Sの前身である
2012年に発売された『NC700X』
(ヨーロッパでは2011年発売)
大型クラスのバイクとしては
異例のヒットを記録し、
同じプラットフォームである
『NC700S』『INTEGRA』
が続いて発表されて、
ますますの人気を得たのでした。
低価格で低燃費
現行型のNC750Sスタンダードモデルで
¥690,120 [消費税8%含む] (本体価格 ¥639,000)
と70万円を切り、MT-07よりも安い価格設定。
ホンダが開発陣に当初与えたテーマは
「気軽に手が届く、大幅に価格を下げた大型バイクを作れ」
だったそうです。
日本でのバイク販売台数は、
1985年が約14万6,000台
だったのに対し、
2008年が約5万台、
2010年が約2万5,000台と、
ピーク時から大きく減少。
販売台数が少なくなると
大量生産ができませんから
製造コストは上がり、
価格はどうしても上がります。
すると、
ますますユーザーの新車離れは進み、
販売台数が減少するという
悪循環が生まれてしまいます。
この悪循環を断ち切る為には
良質で低価格のバイクが
必要だったという事です。
ところが開発陣は
自らハードルを高めます。
コストダウンだけではなく
低燃費ナンバーワンバイク
を作るという目標を掲げます。
低燃費車フィットのエンジンを半分に?
低燃費ナンバーワンバイク
と目標を決めたものの、
低燃費を追求した大型バイクの開発は
ホンダとしても初めてのケースでした。
様々なエンジンを
試行錯誤する日々が続きました。
そんな中でメンバーのある一人が
呑み屋でこんな冗談を言ったそうです。
「フィットのエンジンを半分にして載せちゃえば、直列2気筒の670ccになりますね」
言った本人は冗談のつもりでしたが、
フィットの燃費は
小型車の中でもトップクラス。
フィットのエンジンを半分にすれば
今回のミドルクラス開発にも
ピッタリの排気量。
それなら、
フィットのエンジンを題材にして、
四輪の低燃費ノウハウを
融合してしまえば、
低燃費バイク用エンジンが
できるんじゃないか?
と考えて、できてしまったのが、
NC700X/Sのエンジンなのです。
車っぽいスペック数値は
これが影響しているかもしれませんねw
その新型エンジン開発から2年後、
排気量を増加してNC750X/Sが登場。
NC700X/Sに比べて
最高出力と最大トルクを回転数は
そのままアップ。
写真提供:HONDA NC750S 放浪の旅
エンジンをパワーアップさせた上で
ミッションの変速比を見直し
燃費性能をトータルで向上させています。
つまり低回転で巡行しやすくなった
という事ですね。
さらに1軸バランサーから
2軸バランサーに変更することで、
振動が低減されています。
MT-07とはライバルだけどキャラは違う
270°クランクのパラレルツインエンジンで
排気量も大差のないNCシリーズとMT-07。
ですがスペックを見比べると、
特性が全く違うと気付きます。
■NC750X・NC750S
- 54PS / 6,250rpm
- 6.9kgf-m/4,750rpm
- WMTCモード値 28.3km/L
- ガソリンタンク容量14L
■MT-07
- 73PS / 9,000rpm
- 6.9kgf-m/6,500rpm
- WMTCモード値 24.1km/L
- ガソリンタンク容量13L
共にオールマイティと呼べるバイクですが、
NC750X/Sはマイルドな乗り味で
ロングツーリングに最適。
DCT装備車なら通勤通学の渋滞でも楽々。
といった特徴があると言えるでしょう。
私としてはツーリング時、
300km以上も無給油で走れるのが
すごく魅力的に思えます。
あ、そうそう
最近、教習所で使われている
NC750Lは
パワーダウンされているから
同じものではないですよ。
うーん、気になる!
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最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。