AGです。
最新のリッタークラスSSは
レースベースマシンとしてなのか、
数が売れない分利益を
大きくしようという事なのか
電子制御や豪華装備てんこ盛りで、
新車の車体価格200万円台
というのが普通
になってきています。
そこで我々庶民としては
中古車の方に目がいきますよねw
以前ご紹介した
CBR1000RRもそうでしたが、
過去のモデルの中には
最新技術や性能とは別に
デザインが優れていたりして、
モデルチェンジ後も
人気のあるも多いです。
今回ご紹介する5VY型のYZF-R1 は
特徴として
最後の5バルブエンジンを
搭載したR1
ということもあり、
こだわるファンも
少なくないバイクです。
(※最後の5バルブエンジンバイクとしてはたぶんFZ-1 FAZERになると思います。)
目次
ヤマハ伝家の宝刀5バルブとGENESISエンジン
5バルブの話は
1984年にまでさかのぼります。
その年、
ヤマハの総力を結集して制作された
4ストロークスポーツモデル
FZ750
が発表されました。
▲FZ750
By Rainmaker47 CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
通常の並列4気筒エンジンでは
吸気経路をストレートに伸ばすと
キャブレターが
ライダーの膝に干渉する
という問題があったのですが、
FZ750は
エンジンのシリンダーを前傾させ、
エアクリーナーボックスを
タンク下に設置することによって、
ガソリンと空気の混合気が
マニホールド(吸気口)を
ストレートに流れるようになっており、
ハイパワーと
低燃費の両立を実現しました。
また、エンジン搭載位置が低く
前方に移ったことで、
車体の低重心化と
前後重量配分の最適化に
成功しています。
このシリンダー前傾エンジンは
現代のスポーツモデルバイクでは
ほとんどが採用していますよね。
この
シリンダー前傾エンジンに
組み合わされたのが、
世界初の5バルブ・DOHC
5バルブの大きなメリットは
吸気バルブを3本にすることによる
吸気面積の増大、
バルブ自体の軽量化。
そして、
結果的に全体的に
コンパクトな凸型レンズ状
高圧縮比化燃焼室となり、
理想に近い燃焼室を
完成させたことにありました。
このシリンダー前傾、
5バルブを備えたエンジンレイアウトは
GENESIS(ジェネシス)
と名づけられ、
その後多くのヤマハ スポーツモデルを
代表する
4ストローク技術となりました。
GENESISを受け継ぐYZF-R1
YZF-R1にも、
このシリンダー前傾、5バルブの
エンジンレイアウトは
受け継がれています。
YZF-R1の初代モデルの以前にも、
FZR1000という
1000ccスポーツモデルが存在し、
そのカウルには
『GENESIS』のステッカーが
貼られていたのですが、
その後発売された
YZF1000Rサンダーエースには
なぜか『GENESIS』の
ロゴステッカーは貼られず、
以後のスポーツモデルにも
確認できません。
▲テールカウルに『GENESIS』ロゴのあるFZR1000
By Reg Mckenna CC BY 2.0 via Wikimedia Commons
それまで
市販の4サイクルスポーツモデルに
使われてきた『FZR』から
ワークスマシンや
レースベース車に使われてきた
『YZF』に名前を切り替えた点からも、
この頃からヤマハは
すでに5バルブの技術に疑問を持ち、
GENESISエンジンを超える
次世代のエンジンへのスイッチを
考えていたのかもしれませんね。
1998年に発売された初代YZF-R1から
モデルチェンジが繰り返され、
2004年から発売された
四代目になる5VY型YZF-R1は
スーパーバイク世界選手権・SBK
(市販車ベースレース)での
四気筒バイクのレギュレーションが
750ccから1000ccに改定された事により、
それまでの
公道のスポーツ走行に重きを置くバイク
としてだけではなく、
レースユースにも
対応する必要が出てきたモデルでした。
▲5VY型 YZF-R1
By K. Schwebke CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
▲後期型(2006年モデル)ヤマハ創立50周年記念カラーモデル
By Yamaha_R1_50th_Anniversary.jpg: Sonic320cdi – Heiner Hammderivative work: Nova13 (Yamaha_R1_50th_Anniversary.jpg) CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
エンジンの最大出力は
172PS / 12500rpm
最大トルクは
10.9kg-m / 10500rpm
乾燥重量172kgの車体に
組み合わせ、
パワーウェイトレシオ(出力重量比)
1.0 kg/PS
という偉業を達しています。
5バルブの火を消したのは何か?
そんな
GENESISエンジンレイアウト
シリンダー前傾と5バルブ
を受け継いだYZF-R1ですが、
5VYの後期型、
~2006年モデルで
5バルブをやめちゃっています。
大きな理由としては
レース(SBK)で勝てる性能、
すなわちパワーアップの為です。
実を言うと
5バルブエンジンの5VYはレースで
苦戦を強いられていたのでした。
FZ750の発売から20年経って、
バイクのエンジン性能は
加工技術や素材の変化によって
大きく進化をとげました。
高回転、高出力化によって
5バルブの機構は
時代と合わなく
なってしまったのです。
実際その後
モデルチェンジして4バルブ化された
4C8型は最高出力を上乗せし、
14B型ではクランクを
クロスプレーン化させて
YZF-R1は更なる進化をとげています。
YZF-R1 GooBikeでみる中古バイク価格は?
最新モデルを含めた
平均価格でみると
約145万円と高額です。
しかし、
今回ご紹介した5VY型なら
前期型なら70万円〜80万円
後期型なら80万円〜100万円
ほどで中古バイクを
見つけることができそうです。
(2017年11月時点)
ヤマハ YZF−R1の価格相場 | 新車・中古バイク情報 GooBike(グーバイク)
YZF-R1(5VY)まとめ
ここまで5バルブ中心に
R1をご紹介してきましたが、
私は別に
5バルブにはこだわっていませんw
なぜなら
5バルブだからと言って
特徴的な音が
でるようなこともありませんし、
エンジンの内部ですから
普段は見えません。
ただ、中古のYZF-R1に乗っていても
「最後の5バルブエンジンのR1」
と思えば、
ちょっとだけ自己満足度が
上がりませんか?
また、クロスプレーンと違って
甲高い4気筒エンジンの音や、
すらりとスリムなデザインは
現在でもまだまだ魅力的です。
ちなみに
2006年式の後期モデルは見た目が
前期型とほとんど変わりませんが、
3PSの出力アップと
スイングアームの延長、
フレームの剛性見直しによって
ハンドリングが改善されています。
実際乗り比べることは
難しいかもしれませんが、
参考にして下さい。
10年落ちと聞くと
ちょっと古くも感じますが、
実際は程度の良い個体も多く、
デザインが良いので
古さはあまり感じません。
うーん、気になる!
バイクの乗換えを考えている人は
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評判・口コミよりも高く売る方法
を試してみて下さい。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。