初代Ninja250Rが発表された当時
私は「あぁ、東南アジア向けバイクのついで売りかぁ」
ぐらいにしか
思っていませんでしたが、
250ccロードモデル復活の
呼び水となったのは
いうまでもありません。
目次
Ninja250の中古バイク相場・買取相場
Ninja250の
中古バイク相場(新車含む)は
グーバイクで調べることができます。
人気モデルなので
中古で出回っている数も多く
お手頃な価格から
見つけることができます。
買取価格の方は
バイクショップ店員の経験から言って
同年式、距離ぐらいのバイクで
大きな修理が必要な個所が無ければ
バイク買取相場は
同程度の店頭車両価格の半額
が通常バイクショップでの
買取価格と考えて良いでしょう。
但し、
バイク買取に強い
バイク専門買取業者であれば
1~2割ほど高く買取ってくれる
可能性が高いです。
250ccクラスの救世主
初代Ninja250Rは登場した2008年
それまで絶滅寸前だった
250ccロードスポーツに
空前のヒットを生みます。
CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
レーサーレプリカのブームは
とっくに過ぎ去り、
年々厳しくなる排出ガス基準で
小排気量はパワーを出すのが難しく、
スポーツモデルは
大排気量の逆輸入モデルへ
メーカーもユーザーも
スイッチしていました。
中でも250ccは
スクーターが中心に売上を
伸ばしていたころで、
スポーツモデルは
どんどん姿を消していきました。
そこに突如現れた
フルカウル250ccスポーツ
Ninja250R。
スポーティな
フルカウルスタイリングは
若者に新鮮さを感じさせ、
中高年には
懐かしさを感じさせました。
50万円を切る低価格も魅力的で、
多くの新規のライダーや
リターンライダーを
生むきっかけになりました。
名前って大事
古くからバイクを知る人ほど、
Ninja250Rのこのヒットは
信じられなかったんじゃないかな
と思います。
Ninja250Rに採用されたエンジンは、
それまで細々と
モデルチェンジもせず17年間(!)
販売されていた
ZZR250の並列2気筒エンジン。
この並列2気筒エンジンの起源は、
1985年に発売され、
『ハトサブレ』とか『カメレオン』
と呼ばれていた不人気バイク
『GPZ250R』
で初めて採用されたものを
基本設計にしたエンジンです。
▼GPZ250R
ばくおん!! 3 (ヤングチャンピオン 烈コミックス) [ おりもとみまな ] 価格:596円 |
GPZ250Rは、ばくおん!!
の3巻にも出てきましたね。
そしてその後に続く
GPX250R、ZZR250に
並列2気筒エンジンは受け継がれます。
GPX250RもZZR250も
不人気バイクでしたw
▼GPX250R
▼ZZR250
エンジンはキャブレターから
フューエルインジェクションに
変更されたぐらいで、
バイク全体のパッケージも
あまり変わらないNinja250はそ
れまでの先代バイクと同じように
不人気バイクへの仲間入りが
予想されました。
しかし、大きく違ったのは
『名前』と『デザイン』。
それまでつけられていた
GPZやGPX、ZZRという名前では
400cc以上の兄弟車が持つ
並列4気筒エンジンのイメージが強く、
どうしても見比べてしまうので、
250ccだけが並列2気筒
というのは
なんだか劣等感が感じられました。
そして、
デザインにも迫力が欠けていました。
まず、名前の話をすると、
実は
カワサキのフルカウルタイプバイクは
北米輸出仕様車に『Ninja』
の名前がつけられ、
輸出されてきました。
GPZ900もZZR1100もZX-10Rも
全部『Ninja ニンジャ』です。
GPZ250Rも発売当時から
Ninja250Rです。
コレで行くと
Kawasaki= Ninja
Ninja250R = カワサキの250cc
というイメージで
劣等感があまり感じられませんね。
このNinja250Rを
きっかけにカワサキは日本国内向けにも
『Ninja』の名前で
統一するようになっていきました。
デザイン面でZZR250から
大きく変化を与えているのは
シート
それまで
ツアラーモデルだったがゆえの、
ぶ厚いダブルシート(タンデムシートがメインシートと陸続きのシート)
からスリムな
セパレートタイプになっています。
スポーティな印象を与える
スリムで尖ったものになりました。
ライバルの刺激を受けて進化
その後、
ホンダCBR250R、
ヤマハYZF-R25、
フルカウルではないですが
スズキGSR250など
他メーカーも
250ccロードスポーツを仕掛けてきます。
特にホンダは
カワサキ同様東南アジアでの生産や
販売を得意としていたので、
Ninja250の発売から
2年でCBR250Rを完成させています。
そして最後発のヤマハは
以前ご紹介した通り
SS(スーパースポーツ)
と呼ぶにふさわしい
デザインやスペックを
YZF-R25に備えてきました。
そのYZF-R25が発売される直前、
カワサキは情報を
キャッチしていたのでしょう。
2013年のモデルチェンジで
先手を打ちます。
Ninja250Rから『R』を取って
Ninja250としてフルモデルチェンジ
写真提供:
KAWASAKI Ninja250 放浪の旅
カワサキのSS最強モデル
ZX-10Rをモチーフに、
デュアルヘッドライトと
ワイドナックル化。
質感もしっかり備えたデザインで、
初めて見た時は
「あれ、本当に250cc??」
と思うほどです。
写真提供:
KAWASAKI Ninja250 放浪の旅
メーターも
かなりカッコいいデザインです。
写真提供:
KAWASAKI Ninja250 放浪の旅
エンジンやスロットル、フレームにも
手が加えられ、
スペック数値としては
あまり変化が無いものの、
完成度を高めています。
更にはABS付モデルの設定、
2015年からは
スリッパ―クラッチの採用など
250ccの枠を超えた最新装備が備えられ、
他社の追従を許しません。
2018年モデル Ninja250 (EX250P) インプレ・CBR250RRとの比較
さらにモデルチェンジした
2018年モデルのNinja250
エンジンもフレームも
完全新作となり、
エンジン出力や車体重量といった
スペックの数値は
CBR250RR(MC51)と同等。
乗り比べるとどうなんでしょうか?
レンタルしてインプレしました。
コスパ重視のNinja250
CBR250RRの価格を見て「高い!」
と思った人は
Ninja250の価格は魅力的でしょう。
CBR250RR (ABS) ¥806,760(税込)
Ninja250 ¥629,640(税込)
価格差は¥177,120もあります。
スロットルバイワイヤ
倒立フォーク
アルミスイングアーム
など豪華すぎる装備はありません。
それでいてNinja250は
ABSが標準装備になっていたり、
スリッパークラッチの採用など
おさえるところはおさえていて、
コスパは良いと言えるでしょう。
ただ、実際に乗ってみると
エンジンのメカノイズが
想像以上に大きい。
という点が気になりました。
特に6000rpm以下で巡行していると
パタパタパタパタパタという音が
ずっと耳に入ってきます。
正直、故障かな?と思うレベルです。
たぶんマフラーを変更しても
この音は耳に入ると思います。
排気音は特に工夫されている様子はなく
パラレルツインエンジンらしい
高回転でも「グゥオーン!」
といった低めの音です。
フロントブレーキは
一体型マスターシリンダーで
レバーの調整はついていません。
シングルディスクに
2ポッドキャリパーですが
ディスク径が大きいためか
コントロールしやすく効きも十分です。
リアブレーキも2ポッドキャリパーで
ABSがちゃんとついてます。
高回転で走らせることを考えると
アクセルは全開角度が大きすぎ、
ハイスロが欲しくなります。
細身のシートで余裕の足つき
Ninja250は今回のモデルチェンジで
エンジンにあわせて
フレームも新設計されおり、
車体をできるだけ細くコンパクトに
することによって、
足つき性や
取り回しの向上を図っています。
スイングアームが
エンジンに連結している点など
その徹底ぶりがうかがえます。
そしてエンジンが
ダウンドラフト構造になったので
エアクリーナーが
ガソリンタンク下へ移動したので、
シート前部を細くすることができ
足つき性が良くなっています。
CBR250RRと比べてみても
足つきは良いと思います。
しかし、このシート
前部だけではなく全体的にも細め。
しかも結構硬いので
見た目はそうでもないですが
座っているとセンターが
盛り上がっているんじゃないかと
錯覚するほどです。
タンデムシートも尖ったデザインなので
メインシート最後部に座ると
尾てい骨あたりに違和感があります。
高速道路を使うようなツーリングでは
ちょっと疲れれると思います。
タンデム座席は完全に山型ですね・・・
そのタンデムシートは
取り外せるタイプ。
中はETC車載機以外入らねぇ。
と思ったら隠し部屋w
まぁココも広くはないので
書類ぐらいしか入りませんでした。
ライト類、メーター機能は充実装備
Ninja250のライト類は
フルLEDではないものの
ヘッドライト、テールランプは
LEDになっています。
ミラーは折り畳めるようになっていて
イッパツで復帰可能なタイプ。
ガレージ保管時やすり抜けの時には
便利そうです。
ただ、またがった状態では
結構手を伸ばさないと
ミラーの先をつかめないので
走行中に折り畳むのは
ちょっと危ないかもしれません。
メーターはタコメーター以外はデジタル
写真では暗くてわかりにくいですが、
左にボタンが二つあり、
ODO、TRIP1、TRIP2の切換え、
平均燃費、瞬間燃費、航続予想距離を
切換え表示可能です。
他には燃料計、水温計、
ギアポジションと時計です。
機能は十分ですが、
タコメーターがちょっと見づらいです。
針の根元まで光らせるか、
針を赤色にしてほしいと思いました。
ガソリンタンクのキャップデザインが
カッコイイです。
ガソリンはレギュラーです。
スポーティな性能とセッティング
正直な感想を言うと、
Ninja250は
CBR250RRには劣る。
YZF-R25よりはかなり良いです。
YZF-R25で感じた
エンジン回転数上昇へのストレスや
サスペンションやブレーキへの
不満は感じませんでした。
おそらく、
CBR250RRが良すぎるのだと思います。
市街地
街乗りは文句なしです。
車体が軽く、足つきもよい。
ハンドルも高めで取り回しが良いです。
トルクも低回転からしっかり発生、
スリッパークラッチも相まって
非常に快適です。
また、
ラジエターファンからの温風が
ライダーの体に当たらないように
設計されているので、
夏場の渋滞でも幾分かマシです。
ただ前述もしましたが、
低回転でのメカノイズがひどいです。
低速でのギクシャク感がないので
特に残念に思います。
高速道路
変速比の問題なのか
イマイチ吹け切らない感じです。
マフラーを交換すれば
変化するのかな?
定速巡行は5速で
十分に速度が出て、
6速は燃費を稼ぐための
ギアのようにも感じます。
あと、やっぱりシートのおさまりが
よろしくないので落ち着かないです。
峠道
ハンドリングは素直で
バンク角もしっかり深い。
ただ、不安がなくはない。
たぶんラジアルタイヤに変更することで
この不安は解消されると思います。
サスのセッティングは
ちょうどイイ感じで
コーナー侵入のブレーキで
無駄にフロントフォークが
沈みすぎるようなことはなかったです。
峠でも吹け切らないエンジンは
コーナーからの立ち上がりで
ちょっと不満を感じました。
燃費と航続距離
結構回しながら走ったつもりだけど、
メーター読みで29.7km/L。
CBR250RR(インプレ時21.4km/L)
と比べるとかなり燃費が良いですね。
航続距離計がついていたので
Eランプが点灯する前に給油しちゃったけど
タンク容量は14Lだから、
1回の給油でガンガン走っても
300kmぐらいなら余裕で走れそうです。
Ninja250 (EX250P) まとめ
車体価格や燃費を考えると、
Ninja250は
非常にコストパフォーマンスが
高いバイクだと思います。
ただ、
スペック数値がCBR250RRと
似ているからと言って
期待しすぎてはいけません。
スポーツ走行時には
やはり17万円の差を感じました。
はっきり言って、
スポーツ性能を重視するなら
CBR250RRの購入をおすすめします。
ポジションはスポーツ過ぎず
低回転でのトルク感があるので
通勤、通学などの街乗りや
ツーリングなども楽しめると思います。
だからこそなんですが、
低回転でのメカノイズや
シートの完成度はもうちょっと
頑張ってほしかったなと思います。
バイクの乗換えを考えている人は
バイク王で評判より高く売るマル秘術
コチラも
あわせて読んでみて下さい。
最後まで読んで頂き、 ありがとうございます。